Rice J. 全米販 全国米穀販売事業共済協同組合 米穀卸売業者で組織する全国団体

現在、日本で栽培されているうるち米(普段食べているお米)の品種は250種類前後といわれ、延べ約530産地品種銘柄が設定されています。(平成20年産の産地別主要品種)その中で、一番多く生産されているのが、「コシヒカリ」という品種です。
2番目が「ひとめぼれ」、3番目が「あきたこまち」となっています。(平成20年産水稲の品種別収穫量 調べ)「コシヒカリ」「ひとめぼれ」「あきたこまち」以外に、「きらら397」「ヒノヒカリ」といった品種も聞いたことがあるかと思います。

さらに、良食味米、病害虫に強い品種、多収穫米品種などが農業試験場、民間企業で研究され、毎年新しい品種が誕生しています。

お米には、それぞれ食味・粘りなどの個性がありますので、自分の食の好みに合ったお米を発見してみて下さい。

お米は、うるち米ともち米に分けられます。私達が毎日食べているお米は、「うるち米」で、お正月のおもちなどにして食べるのが「もち米」です。

さて、「うるち米」と「もち米」の両者の違いは、でんぷんの性質の違いにあります。このでんぷんは、「アミロース」と「アミロペクチン」で構成されています。アミロースは硬さを作り、アミロペクチンは粘りを作ります。うるち米はアミロースが15~35%、アミロペクチンが65~85%の含有量に対して、もち米はアミロペクチン100%でアミロースが0%です。

もち米はもちにするだけでなく、赤飯やおこわ、もち米を粉砕した白玉粉から作られる団子など、様々な形となり味わうことができます。

日本のみならず、たくさんの国で栽培されている米にはいろんな種類があります。米の形や食味などの特徴から、大きく次の3つに分けられます。

  1. ジャポニカ米(短粒種・円粒種)
    米粒は円形で短粒~中粒の形状。炊くと水分を多く含むため、軟らかく粘りがあります。日本で作られているのはこのお米です。
  2. インディカ米(長粒種)
    米粒が細長く、炊くと粘りがなくパサパサした食感が特徴。カレーや炒飯、汁ものとの相性が良いです。インド、東南アジアを中心に気温の高い地域で作られています。
  3. ジャバニカ米(中粒種・半長粒種)
    幅広く、大粒であるのが特徴です。粘りはジャポニカ米よりインディカ米に近く、パサパサしています。生産量は、ジャポニカ米、インディカ米に比べると少ないです。インドネシア(ジャワ島)を中心に作られています。

古代米とは、稲の原種である野生の稲の特徴を受け継いでいる米のことです。野生の稲の大部分が赤米であることから、赤米は米の原種であると考えられています。一般的には、赤米や黒米などの総称として使われます。

赤米の表面には、赤い色素・ポリフェノールの一種であるタンニンが含まれています。

黒米の表面には、紫の色素・アントシアニンが含まれ、それ以外にも白米と比較してビタミン類、鉄分、カルシウム、マグネシウム、亜鉛が多く含まれていることからその栄養価が注目されています。

古代米の利用方法

古代米料理の一番簡単な方法は、白米に混ぜて炊くことです。

  • 白米2~3合に対して大さじ1杯が目安。
  • 黒米は研がずに軽く洗う程度。
  • 水加減は古代米の分は気にせず、いつも通りで大丈夫。

炊きあがりは、黒米の場合はお赤飯のような色鮮やかなごはんになり、赤米はきれいなピンク色に炊き上がります。もち米のような粘りがあり、食感も楽しめます。

日本では、北海道から沖縄県まで全国でお米が作られています。作られている地域の気象条件、栽培品種によって、田植えから収穫までの日数は変わりますが、概ね田植えから5ヵ月前後で刈り取りができます。

新潟コシヒカリを例にとると、5月上旬に田植えしたものが9月下旬には収穫されています。

また、適期に収穫するため、出穂期(出穂する全茎数の40~50%が出穂した日)からの積算温度(日平均気温の積算値)が目安とされているのが一般的のようです。新潟コシヒカリの場合は、出穂後40日、積算温度1,000℃が目安のようです。

食料自給率とは、私たちが食べている食料のうち、どのくらいが自国(日本)で作られているかという割合のことです。

食料自給率には3種類の計算方法があります
  • 国内生産量など食品そのものの重さを用いて計算したもの…重量ベース自給率
  • 食料に含まれるカロリーを用いて計算したもの…カロリーベース総合食料自給率
  • カロリーの替わりに価格を用いて生産額で計算したもの…生産額ベース自給率

詳細につきましては、農林水産省の資料がわかりやすいかと思います。
http://www.maff.go.jp/j/zyukyu/index.html

現在(平成19年度)、日本の総食料自給率は40%(カロリー食料自給率)となっています。お米では、96%を自給していますが、全体では、カロリーベースで6割の食料を諸外国に依存しています。これ以上海外の依存度を高めれば、食料供給の不安定感が高まることが考えられます。さらに、国内の農業資源は十分に活用されることなく、耕作放棄地や不作地が拡大しています。

また、今後、世界の人口は開発発展途上国を中心にますます増えると予想されています。そのため、世界中で必要とされる食料の量は大きく増えることでしょう。

よって、我が国の食料供給が諸外国から影響をできるだけ受けないよう、国内自給率を高めていく必要が重要と考えられています。

国別生産量では中国が一番多く、次いでインド、インドネシア、バングラデシュ、ベトナム、タイ、ミャンマーとなります。日本は10番目の順位になります。(2004年 FAO(国連食糧農業機関)調べ)

生産国の上位はアジア・モンスーン地域と呼ばれる東南アジア・南アジアを中心とした地域で、そこで世界のお米の約90%を作っています。

アジア以外では、ブラジル、アメリカ、イタリア、スペイン、エジプト、オーストラリアなどの国でお米が作られています。

米の流通は原則自由化されていますので、誰でもカタログ・インターネットを介した通信販売も含め種々のルートで販売できます。

ただし、お米の販売を行うみなさんの中で、年間20精米トン以上販売する場合は、事業開始前に国への開始届の提出が必要となります。生産者が自ら生産したお米を農協などの登録事業者に出荷する場合は届出の対象とはなりませんが、直接消費者に販売(産地販売)する場合は対象となります。

毎日食べているお米は、私たちの生活に欠かすことができないものになっています。

平成7年までは、値段が急に高くなったり、お米が足らなくなったりして、国民が困らないよう「食糧管理法」という法律でよって生産から販売まで守られていました。その後、一定の要件を満たす者が国等に登録すれば、自由に米を販売したり、販売したり流通させることができるようになるなど、大幅な制度改革が実施されました。

現在の「改正食糧法」の下では、生産者から直接消費者にお米を販売することができますが、大抵のお米は、生産者から農協などの集荷事業者に販売された後、お米を専門とする米穀卸売事業者などに販売され、そこで大型精米機により玄米から白米に加工されたものが、スーパーやお米屋の店頭で販売されています。精米機のあるお米屋さんでは、仕入れた玄米を店頭精米し販売しています。

スーパーのお米売り場やお米屋さんでは、「新潟県産コシヒカリ100%」というような単一産地品種の表示で販売されているお米や「あきたこまちブレンド」など産地品種を表示したブレンドされたお米など、様々な種類のお米が置いてあります。

日本で栽培されているお米にはたくさんの品種があり、品種ごとに食味などが異なります。また、コシヒカリのように多くの地域で栽培されているケースでは、同じ品種でも栽培された地域ごとに味が違ってきます。そこで、1年間を通じていつも同じ美味しさ・同じ品質・同じ価格で販売できるよう、米穀卸売業者やお米屋さんは、複数の産地・品種のお米を使った商品=ブレンド米を用意しています。

ブレンド米は、販売業者のノウハウの見せ所です。お米には本来持っている粘り、つや、色、コシなどの特徴があります。その特徴を様々に混ぜ合わせてより美味しい米、美味しいご飯を作るために方法がブレンド米です。

ブレンド次第で単品銘柄より美味しくすることも出来ます。ニーズに合わせ、価格を抑える為にブレンドする時も「ブレンド相性」によって食味が大きく変わります。寿司、チャーハンなど特定の料理に特化したお米は、新米よりは古米をブレンドする方が調理する方から好まれることがあります。

美味しくご飯を食べるために、精米工場・お米屋さんで玄米を精米に加工しています。それは、玄米が消化に悪いヌカ層に覆われているため、柔らかく炊くことが難しいので、玄米のヌカ層と胚芽を取り除いているのです。

しかし、ヌカ層と胚芽には体にとって大切な栄養成分が含まれています。特に、胚芽にはビタミンB1が豊富に含まれています。そのため、お米の優れた栄養をより多く摂取するために、「5分つき」「7分つき」というヌカ層の一部を残す精米方法で加工された精米のことを「分つき米」と呼んでいます。

本来、お米のもっている豊富なビタミン・ミネラル・植物繊維の約95%はヌカ・胚芽に含まれています。よって、精米する過程でお米の栄養の多くが失われてしまっています。そこで、お米の栄養をなるべく失わずに食するために、食べやすく調理がしやすい商品が開発されています。

その中の1つ、発芽玄米とは、玄米を一定の温度の水につけ、0.5~1.0ミリ発芽させたものです。発芽のパワーで玄米の栄養価がアップし、なかでも血圧低下や不眠症の改善、アルツハイマー型痴呆症の予防などに効果があるといわれるGABA(ギャバ)は玄米の約3倍、白米の10倍も含まれています。

胚芽米とは、玄米からヌカ層だけを除いて胚芽を残したものです。玄米の栄養の一定部分が残り、白米の美味しさも兼ね備えています。

通常精米として販売されている米袋に、小さく開いている穴は通気孔です。袋に詰められた後、積み重ねられて保管、陳列されるため、袋が破けないようにする為に空気を抜く穴が必要とされました。

精米したお米は生鮮食品と同じです。お米はニオイを吸収しやすく、高温・多湿・乾燥の状態だと変質しやすくなるので、臭いの強いものと一緒にはせず、涼しく陽の当たらない所に保管しておきましょう。

保存場所には温度10℃以下の冷暗所がいいとされています。台所の流しの下などよりは、冷蔵庫(野菜室)での保管がベターです。

米びつを使うときは、つぎ足しをせずに古いお米を使い切り、中を空ぶきしてから補充するようにして下さい。

以下のポイントに注意しましょう。

洗剤や灯油、臭いの強い食べ物などの近くにはありませんか?

お米はニオイを吸収しやすい性質をもっています。

直射日光が当たる場所や高温多湿の場所においてありませんか?

鮮度低下が進みやすい環境です。お米に含まれる脂質は、光や熱などの影響によってさらに、酸化が促進されます。

濡れた手で触れたり、水のかかりやすい場所にありませんか?

温度差による結露(けつろ)などが発生すると、お米にカビが生えやすくなります。また、夏場の高温多湿は虫の発生の環境をも作り出してしまいます。一方、乾燥が進むとヒビ割れも生じます。

精米したお米は生鮮食品と同じです。気温・保存状況によって美味しく食べられる期間が変わりますので注意しましょう。

春・秋・冬場では精米日から約1ヵ月から2ヵ月、夏場では約1ヵ月がおいしく食べられる期間の目安です。密閉容器に入れて冷蔵庫に保存する場合はもう少し長く保存できます。

また、上記の目安を過ぎても、色や香りに異常がない場合は食べても問題ありません。しかし、上記を目安に、お米を一度に大量購入せず、1ヵ月~2ヵ月で食べきることができるよう、小まめな購入をお勧めします。

美味しくご飯を炊き上げるための、3つのキーワード「研ぐ」 「浸す」 「蒸らす」

研ぐ

お米を研ぐというのは、お米の表面のヌカやヨゴレを取るためです。

一番重要なのは、研いでいるときからお米は水分を吸収しますので、ヌカの臭いがお米に着かないよう、すすぎを手早く行うということです。

  1. まずは、精米が入った釜に水をたっぷりと一気に加え、お米が流れ出ないようすぐに水を捨てて下さい。
  2. それから、4~5回手早くかき回して、すぐに水を捨てます。
  3. 2回目以降も同様に手早くかきまわして水を捨てます。
  4. この繰り返しを3~4回繰り返して下さい。

最近は、精米技術が進んでいますので、昔のように力をこめて米をすり合わせて研ぐ必要はありません。

浸す

研ぎ終わったら次にお米を水に浸します。

お米の芯までたっぷりと水を浸透させてから火にかけたほうが美味しいご飯が炊けます。水に浸すことでお米のデンプンが分解され糖が出るため、甘みのある美味しいご飯になります。しかし、浸す時間が長すぎるとお米が水分を吸収し過ぎて、ベトついてしまいます。

お米に十分に水をしみ込ますためには、夏場でも最低30分、冬場なら最低1時間は浸して下さい(気象条件により浸透時間が異なりますのでご注意願います)。研いでからすぐに火をかけてもご飯は炊けますが、少しかために炊き上がります。

蒸らす

最近の炊飯器は自動的に蒸らす機能がついていますが、その機能がついていない炊飯器であれば、すぐにフタを取らずに10~15分程度蒸らす必要があります。これは、ご飯粒の水分が均一になるようにするためです。

炊飯器で炊き上がったご飯は、場所によって美味しさにムラがありますので、蒸らしが終わったら味を均一化するために手早く混ぜて下さい。また、ご飯に空気を入れることで「ふっくら美味しいご飯」が出来上がります。

通常は砥ぎ洗いすることで除去するお米の「肌ヌカ」を、きれいに取り除いたものが無洗米です。

また、洗わないことでとぎ汁が出ないので環境にやさしく、ビタミンB1など水溶性の栄養分も通常米に比べて多く残るなどの利点があります。

ご飯に芯が残る場合

水がお米の中まで浸透していなかったため、ご飯に芯が残ってしまう可能性があります。精米・無洗米は季節を問わず、60分程度水に浸すことをお勧めします。

炊き上がり時に臭いがする場合
お米の保管状況は大丈夫でしたか?
お米はにおいを吸収しやすい性質がありますので、においの強いものの近くに保管されていた可能性があります。また、高温・多湿下で保管されると、劣化が進み品質が変化する可能性があります。
洗い方は同じでしたか?
手早く洗米しないと、お米が研ぎ汁を吸ってヌカ臭くなる可能性があります。また、夏場の高温時に長時間浸水しておきますと、水温が上がりお米自体が腐敗する可能性があります。
炊飯器の汚れの場合

内ふたが汚れたまま、炊き込みご飯や保温後の臭いが付着したままの釜で炊飯すると臭いが着く可能性があります。

精米された白米は、その75%が炭水化物(大部分がデンプン)で、その他水分、たんぱく質、わずかですが脂肪、カルシウム、ビタミン類などが含まれています。

炭水化物は、私たちのエネルギー(熱や力)のもとになるものです。

たんぱく質の含量は7%程度で高くありませんが、お米に含まれる植物性たんぱく質は日本人にとって重要なたんぱく源の1つです。

ビタミン類は、私たちの体の調子を整えるために必要な栄養素です。

お米は、私たちのエネルギーの源になる炭水化物と、体を作るたんぱく質や体の調子を整えるビタミン類などを含んでいる大変栄養価に富んだ基本的な食べ物と言えます。

最近では、若い人たちの中にも太っている人が増えてきました。太る原因の1つには食べ物にあります。余ったエネルギーは脂肪になって体に溜まり、その結果太ってしまいます。

ご飯などに含まれる炭水化物は、肉などに含まれる脂肪よりも消化・吸収のスピードが速くエネルギーとして消費されやすく、体に溜まりにくいものです。炭水化物を含む食品の中でもご飯は粒で食べるのでよく噛むことが必要です。そのため、消化、吸収が穏やかになり、パンやジャガイモなどの粉食に比べ、体に脂肪を溜めるホルモン(インスリン)の分泌をあまり刺激しません。つまり、ご飯それ自体は脂肪になりにくく脂肪を溜めることに少ない食品と言えます。

日本人の昔の食事は、ご飯8割・おかず2割だったと言われています。さて、昔の日本人は太っていたでしょうか?

余ったご飯はあたたかいうちに薄く平らにして水蒸気ごとラップに包むか、フリーザーパックで密閉して、冷ましてから冷凍するのがよいでしょう。このとき、1膳ずつ小分けにしておくのが便利です。

解凍するときは自然解凍ではなく、凍ったまま電子レンジに入れて一気に加熱するのがよいでしょう。

冷蔵庫で保存する場合は、なるべく翌日までに食べるようにしましょう。ご飯のでんぷん質が変質するので、2日目ぐらいから再加熱してもふっくらしたごはんには戻りません。

ジャー保温は5時間が限度です。これは、長時間高温で保管すると、お米のでんぷん質に変質が起こり、黄ばみや特有のにおいが発生したりする原因となるからです。

玄米食は健康に良いイメージがありますし、健康に関心を持っている人ほど玄米食を食べている傾向があるように感じます。

白米と玄米を比較すると、玄米に方がビタミン、各種ミネラルを多く含んでいます。さらに、玄米の方が硬く消化しづらいため、「よく噛む」ことによって脳の満腹中枢に信号が伝わるので、食べ過ぎを防ぐことができます。

一方、玄米に含まれる「フィチン酸」の有害性を指摘した話があります。「フィチン酸」は、鉄や亜鉛と結合し、腸からのミネラル吸収を妨げてしまい、人体でミネラル不足を引き起こすことがあるそうです。

まずは、玄米食を始める前に、玄米食のメリット・デメリットをよく理解し、目的にあった健康に良い玄米の食べ方を見つけることが大切です。

参考サイト

さらなる質問は以下のページを参照下さい。

よくある質問(米ネット) お米ものしりゾーン(米ネット)

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